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誰からも好かれる音色、マリンバの魅力とは?
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誰からも好かれる音色、マリンバの魅力とは?

「マリンバ」という楽器をご存じでしょうか?

大型の木琴(もっきん)とイメージしていただけると、わかりやすいと思います。

ピアノやバイオリンのようにメジャーな楽器ではありませんが、演奏形態の多様さ、奏者による表現の幅の広さ、バリエーション豊かな曲目など、あまり一般には知られていない、隠れた魅力が満載の楽器なのです。

今回はそんなマリンバについてご紹介したいと思います。

マリンバの魅力

マリンバの1番の魅力は、何といってもその「音色」ではないでしょうか。

ローズウッドという硬質な木でできた鍵盤を、マレットという撥(ばち)で叩いて音を出します(そのためマリンバは「鍵盤打楽器」に属します)。

木のぬくもりある優しい音色は、誰からも好まれます。

まるで木の精が歌っているかのような、素朴でナチュラルな響き。

「マリンバの音が嫌い」という人に出会ったことはありません。

選択するマレットによって音色が大きく変わるところも、マリンバの大きな特徴のひとつです。

先端の素材が固いマレットを使うと、輪郭のクッキリした音が出ます。

毛糸で巻いた柔らかいマレットを使うと、アタック(打撃)音のほとんどない、柔らかく優しい音です。

マリンビスト(マリンバ奏者)のマレットの好みやセンスにより、同じ曲でもまったく異なるイメージの演奏になったりします。

ではここで、マリンバの柔らかく優しい音色を感じていただける動画をご覧下さい。

J.S.バッハの「G線上のアリア」の名で親しまれている「Air from suite nr.3, BWV 1068」が、マリンバのソロで演奏されています。

「Bach`s Air for marimba solo – Rudi Bauer」

マリンバの歴史

マリンバの原型は「木の板に共鳴用のひょうたんや木製パイプがついた鍵盤型楽器」で、アフリカ、アメリカ、アジアなど、世界各地でもっともプリミティブな楽器のひとつとして歴史上に登場しています。

始めは小型でしたが、グアテマラやメキシコどで大型のマリンバへと発展してゆきました。

メキシカン・マリンバは、民族音楽のひとつのジャンルとして確立されており、国民的人気があります。

メキシカン・マリンバの動画もご参照ください。

通常のマリンバとは音色が異なり、民族楽器ならではのエキゾチックな響きがあります。

やがてメキシコのマリンバがアメリカに渡り、西洋音楽を奏でるのに適した鍵盤配列へ変わったり、鍵盤の下にある共鳴管(パイプ)が金属製になるなどの改良が重ねられ、現在のマリンバの形になりました。

マリンバの構造

マリンバの構造

マリンバは、白鍵と黒鍵からなる木(ローズウッド)の板でできた鍵盤(鍵盤の色はすべて木の色のまま)と、その下にある金属製の共鳴管(パイプ)、鍵盤全体を支えるケタ、側板(左右の枠)などからできており、各パーツを分解して運搬できます。

マリンバ製造メーカーにより音色が異なり、自分の好みの音が鳴る楽器を選ぶことが重要です。

マレットも実に多様な種類のものがさまざまなメーカーから出ており、著名なマリンビストがメーカーと共同開発したシグネチャー・マレットも販売されています。

マリンバの種類や奏法

規模の小さなマリンバで4オクターブ、大型になると5オクターブ半あります。

また低音に特化した「バスマリンバ」は、アンサンブルなどでベース音を担当します。

大型の楽器なので、全身を使ってアクティブに演奏します。

そして、基本はマレットを右手に1本、左手に1本、合計2本で演奏しますが、ソロ・マリンバでは片手に2本ずつ持ち、合計4本のマレットで演奏することが圧倒的に多いです。

初心者はまず、2本で演奏できるように練習し、熟達するにしたがって4本マレットでの演奏へと移行してゆきます。

4本マレットを持って演奏しているだけで「オオ~っ!」と感心されますよ。

バラエティー豊かなマリンバの世界

マリンバの演奏は本当に多種多様です。

実際の音を動画で聴いていただきつつ、解説したいと思います。

オーソドックスなところでは、クラシックの曲がマリンバ用にアレンジされています。

広島ジュニアマリンバアンサンブルの演奏です。

子ども達によって演奏されるマリンバですが、テクニックは大人を上回るほどで、聴いた人は必ず「スゴイ!」と感動されます。

次の動画は「Catching Shadows – marimba duo by Ivan Trevino」。

デュオ(2人)による演奏で、マリンバの魅力が最高にひき出されています。

ミニマルミュージック的な現代音楽でありながらも耳になじみやすく、マリンバでしかできない表現がカッコいい!

そして「リツコエレクトロニカPV」

日本人のマリンビスト、松本律子さんの演奏。

エレクトリックな音とマリンバのコラボレーションが、マリンバの新しい可能性と魅力をひき出しています。

この他にも、たくさんの素晴らしい演奏動画があるのですが、今回はこのくらいにして、また次の機会にご紹介したいと思います。

マリンバの生音を聴いてみよう!

「マリンバって楽しそう!」「私も演奏してみたい!」と思われた方へ。

マリンバ奏者は日本中に意外とたくさん存在します。

皆さんのお宅の近くに、マリンバ教室を開いている先生が住んでいらっしゃるかもしれません。

音楽は、聴いているだけでも楽しいですが、やはり自ら演奏する楽しさに勝るものはありません。

まずはぜひ1度、マリンバの実際の音を聴いたり、音を鳴らしてみる体験をされることをおすすめします!

ライタープロフィール

高木リィラ

音楽教室講師

高木リィラ

東京都出身。

幼少より音楽に親しみ、打楽器、マリンバ、ヴィブラフォン、パイプオルガン、ピアノ、ヴォイスなどを表現媒体として、これまでに約80曲のオリジナル作品を創作・発表する。

トルコ、東南アジア、パラオ、沖縄、小笠原諸島などへの旅体験を経て創られた多様な作品群は、独自の世界観が息づいた「オンリー・ワン」の音楽であるとの高い評価を得ている。

これまでにオリジナル・アルバム、「メドゥーサ」「アルテミス」「木花佐久夜姫」「ニイルピトゥ」「マンドラゴラ」「プラウ・シパダン」「ボニン・ブルー(ハイレゾ音源)」のほか、J.S.バッハのオルガン曲集「たまふりオルガン」をリリース。

「アルテミス」収録曲(太霊道奉讃歌)では、一人で100トラックのコーラスを重ねるなど、大胆なプローチも話題となった。

また、写真家でもある夫・高木一行[たかきかずゆき]とのコラボレーションによるスライドショー作品も多数。

楽器演奏の基盤となる身体づくり、正しい姿勢を養うためのメソッド「ヒーリング・アーツ」を研究しているグループ、<ヒーリング・ネットワーク>で活動を展開中。

東京芸術大学音楽学部打楽器科卒業。

広島で「リィラ音楽教室」を主宰する。

打楽器・マリンバを有賀誠門(東京芸術大学名誉教授)、岡田友之(札幌大谷大学芸術学部客員教授、洗足学園音楽大学名誉教授)、中谷孝哉(武蔵野音楽大学教授)、中谷幸子、各氏に師事。

リィラ音楽教室

http://megami13.wixsite.com/leela

打楽器を始め、さまざまな楽器のレッスンを行なっています。

瞑想やヒーリング・サウンドのクラスもあります。

リィラの音楽時間

http://leelatakaki.hatenablog.com

高木リィラの音楽ブログです。

リィラ・ミュージック(高木リィラ作品サイト)

https://leela.themedia.jp

ヒーリング・ネットワーク。

楽器演奏の基盤となる身体づくり、正しい姿勢を養うための「ヒーリング・アーツ」を研究しているグループです。

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高木リィラ 奉納作品ご紹介サイト

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YouTubeやSoundCloudでオリジナル作品をお聴きいただけます。

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