ドラムのチューニング方法が良く分かる
今回はドラムチューニングについてです。
スタジオで勤務している私たちも日々試行錯誤しておりますが、ドラムチューニングの基本的なことを知って普段の練習やライブ、そしてレコーディングに役立てましょう!
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もくじ
ドラムチューニングって?
いくら高価なドラムセットでもチューニングをおろそかにしては本領を発揮できません。
ドラムのチューニングとは、タイコのヘッドのテンションを調節して、自分の欲しい音に近づける作業のことです。
ドラムはメロディーを奏でる楽器ではないので、音程をピッタリにするというよりは、うまく鳴るようにチューニングしてあげてリズムを奏でる上で音をはっきり聞こえさせることが目的です。
プロのライブの時には、ドラムチューニング用の時間が取られていたりするぐらい重要な作業です。
またレコーディングの時には、曲ごとにチューニングを変え、演奏する曲にマッチしたサウンドを作り出すこともあります。
ドラムチューニングのプロもいるぐらい奥が深い!
プロのミュージシャンの裏側では、ライブ・レコーディングの現場のドラムのチューニングをはじめ、ドラマー周辺の主に機材関連のケアをするお仕事の「ドラムテック」と呼ばれる方がいます。
海外ではチューニングだけをするお仕事もあるぐらい、ドラムチューニングは長年培った技術が必要なのです。
音のデジタル化が進む中でも、変わらないアナログな作業です。
「絶対ドラマーじゃなきゃだめだ」とか、「ミュージシャンじゃないと嫌だ」とかって、実は今でもあまり思ってないんですよ。「凛として時雨」に入る前は、バンドをやめてドラム・チューナーだとか、ドラム周りの仕事をやろうと考えた瞬間もありましたし。
─ 実際に、今でもドラム・チューナーとしての仕事もされているそうですね。
N:はい。そうやって裏方さんの仕事も経験しているおかけで、裏方さんがミュージシャンをどのように見ているのかということも分かりましたし、やってよかったなと思ってます。だから、今の自分の状況とか、自分の知識、テクニック、才能を把握して、自分に何ができるのかということを考えて常に行動している感じですかね。
ピエール中野(凛として時雨)インタビュー http://mnavi.roland.jp/interview/200910_02.html
勘と経験・慣れしかない
ドラムチューニングには正解がありませんし、実際やってみると分かるのですが、時間も多く要します。
どう調整すれば、どんな音になるかをたくさん経験していき、耳と体で覚えていきましょう。
慣れてくれば、チューニングにかける時間がどんどん短縮されていくと思います。
まずはどういじったらどう音が変わるかを知りましょう。
ドラムチューニングの基本
まずヘッドをなるべく均等に張る
ドラムヘッドは各ボルトを締め引っ張り合うことでテンションをキープしています。
1カ所だけ緩めたり締めたりするだけで音が変わりますし、ヘッドを叩いた振動をしっかり伝えるためには各ボルトの均等な締め具合が必要になります。
必ずしも回した回数だけで判断できないので、締めた箇所の付近の音を実際に聞きながら、ドラムのチューニングキーを使って対角線上に各ボルトを調整していきましょう。
この時注意しなければいけないのは、上の画像のように対角線上にボルトを締めていくこと。
こうすることで均一にヘッドを張っていけるのです。
緩める=音が低くなる 締める=音が高くなる
ボルトを緩めれば音が高くなり、締め込めば音が高くなる、これが基本です。
ボルトを時計回りに回せば締まっていきます。
タイコに合わせた音にする
小口径のタイコで、低い音を出そうとしてボルトを緩めてチューニングしても目的の音に鳴らない時は多いと思います。
シェルやタイコのサイズで自然な音が鳴るように心掛けましょう。
- 小口径 = 高い音
- 大口径 = 低い音
- 胴の深さが浅い = 高い音
- 胴の深さが深い = 低い音
叩くセッティングにしてからチューニングする
ドラムセットは常時、ひとつだけの音が鳴っているわけではありません。
タイコやパーツが独立していない場合は一緒に音が振動しています。
実際叩くセッティングにしてから、チューニングされることをオススメします。
セット全体での共振や、各タイコの音程バランスを実際叩いてチェックし、最適な状態に調整しましょう。
鳴らす場所の環境
ドラムはバンドアンサンブル上、「最も高い音=シンバル、最も低い音=バスドラム」が鳴り合っていますので、音の支配力がある分、鳴らす場所による影響が大きい楽器です。
レコーディングスタジオなのか、ライブハウスなのか、野外ステージなのか……実際に演奏するその場で叩いて判断することが重要になります。
低音域では定在波を無くすため出来るだけ反射が少ない方がよい。一方、中高音域では、適度な反射がある方が、生き生きした音になるといわれている。
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/roomacoustics.html音と低音は、耳で聴いて同じくらいの大きさの音でも、実際の音のエネルギーは、低音の方がずっと大きいからです。そのため、低音は空気だけでなく、壁や天井といった物体までも振動させることが多く、その振動が他に伝わってしまうので、それを抑制しなければならないからです。
http://www.me-arch.jp/sound.htm