ライブハウスのドラムセットはチューニングする?しない?
わたくし自身がライブハウスのドラムセットについて感じたことを、今回は書きたいと思います。
立場や状況によってさまざまな考え方があるかとは思いますが、あくまでも個人の経験にもとづく見解ですのでご理解下さい。
ライブハウスのドラムのチューニング
会場のスタッフに「ドラムセットをチューニングしても良いか?」って質問をすると、9割の確率で「どうぞ〜」って、言ってくれます。
音響さんや会場のオーナーが、こだわりを持ってる方だったりすると、イヤな顔をされることもまれにありますが…
僕はライブの時に、会場のドラムセットをほとんどどチューニングしません。
これは複数のグループが出る「対バン形式」の時に限ります。
余程のことがないかぎり、対バンのドラマーと店側と相談の上、チューニングします。
理由は簡単です。
みんなでお店の楽器をシェアするからです。
常備されているドラムセットのチューニングはしないほうがいい?
とあるライブハウスのドラムセットのフロアタム16インチを叩いたところ、物凄くベロベロにゆるいチューニングで、不安になる時がありました。
生音で、ベト〜…みたいな音です。
「でも、絶対にライブハウスの鳴りとかマイク乗りの都合もあるから、大丈夫だろう…それでダメなら、チューニングさせてもらおう…あまり触りたくないけど…」
すると、モニターからフロアタムの音が返ってきました!
しっかり「トゥーン」って返ってきました。
「やっぱりチューニングをいじらなくて良かったぁ!」って、心の底から思いました。
下手にいじって、鳴らなくなったら大変だし、元に戻すのも一苦労ですからね。
音響さんは、会場の鳴りを知っています。
僕が下手にチューニングを触らない理由は「それに即したチューニングをしているはず」と思うからです。
少し残念な瞬間
20代前半によく出させてもらったライブハウスのドラムセットは、ソナーの一番脂が乗っていた頃の品。
子供の頃の僕には、とても憧れの存在です。
そのドラムセットを叩きたいがために、ブッキングをお願いしてた時期もあったりもしました。
そんな憧れの会場でのライブ当日。
サウンドチェックは僕たちが最初。
「うーん!生音から気持ち良い!」
マイクに乗せても、しっかりと鳴っていました。
演奏にも気合が入りますよね!
何のストレスも無くサウンドチェックは終了しました。
次のバンドのドラマーさんが座ると同時に、せっかく気持ち良く鳴ってた12インチのタムのチューニングを上げだしました。
コンコン鳴り出して、鼻詰まりみたいな音になっちゃって…
「あー」もうガッカリです。
まぁ、本番直前に、再び元に戻しましたけどね!
決してドラムセットを買えって意味ではありません
今は、低価格で良いドラムセットも売ってますが、セットを買うってことは、ケースも買わなければならないし、シンバルも欲しくなるし、スタンドも…
移動には、絶対に車が必要ですし、駐車場の問題も出てきます。
あれやこれやで、それなりの出費になります。
しかし、セットを持つと、モチベーションがとんでもなく上がります。
ただ、対バン形式でのライブ会場のドラムセットは、皆でシェアする楽器なので、あまり自分好みにチューニングしてしまうのは個人的にはあまり好きではありません。
だったら「自分の楽器を持って来れば良いじゃん!」ってなっちゃいます。
事前の下調べが大事
会場の条件によっては、バスドラムのインチが変わります。
常に22インチとは限りません。
メーカーによっては、スタンド類の都合もありますので「もっと手前に持ってきたいのに!」なんてことも多々あります。
椅子の低いドラマーにとっては、タムが深胴(ふかどう)の場合、傾けた時にバスドラムにぶつかってしまうこともあります。
シンバルの状態や、タムのヘタり具合なんかで、音も微妙に変わります。
セットを持っていなくても、その店の状態を事前に知っておくことで、心の持ちようが全然違います。
マイセットを持っていれば、柔軟に対応できます。
ドラムセットを持ち込む際は、必ず事前に会場と打ち合わせることが大切です。
いきなり持っていって「置き場所がない!」なんて事態は最悪ですからね。
動線確保も大事なことです。
自分が気持ち良く、対バンも気持ち良く演奏出来て、お客様に楽しんでもらえることを第一に考えると、すべてがHappyになる!っと考えます。
ライタープロフィール
ドラマー
中村"NOBU-san"暢晃
乙女座 AB型 12歳の秋、両親の勧めでドラムを始める。
この頃は、音楽の楽しさが理解出来ず、塾に行く感覚で通い始める。
中学生の頃に課題曲でやった、Suzanne VegaのLukaという曲から、面白さ・凄さを見いだす。
高校生の頃は、多数バンドに参加(ドラマーが僕しか居ないという事態)。
ここでも、ドラムの重要性を痛感する。
高校卒業後、専門学校に入学し、ドラム、ラテンパーカッション、ドラムコー、人間学を学ぶ。
また、この時期に出会ったBlack Musicは、僕の一生を左右するくらいの衝撃の出会いだった。
現在は、POPS、FUNK、ROCK、歌謡曲、演歌、JAZZ、HARD ROCKなどジャンルに納まらないLIVE活動やサポート活動の他、インストラクターとしての顔も持つ。
また、イベント主催やミュージシャンコーディネーター(インスペクター)としても、高い評価を得ている。
演奏サポートやLesson希望の方は、Mailにてお問い合わせ下さい。
ウェブサイト:http://nakamuranobuaki.org