【ドラマーのための】意外と奥が深い?ライドシンバルの効率的なセッティングとは?
今回はライドシンバルのセッティングについてご紹介します。
ロックやポップスではハイハットに比べると出番が少ない楽器かもしれませんが、普段何気なくセッティングをしている方、セッティングがなかなかしっくりいかない方は参考にしてみてください。
もしかしたら新しい自分のプレイスタイルを発見できるかも……?
もくじ
ロック、ポップスにおけるライドシンバルの位置づけ
冒頭にも書きましたがライドシンバルでリズムを刻むジャズドラムと違って、ロックやポップスではライドシンバルがないと演奏が成立しないということはあまりないように思います。
ドラマーによってはライドシンバルを使うのが好きではないという人もいます。
また、「サビはライドシンバルじゃなきゃダメ」、みたいなセオリーは聞いたことがありません。
なのでハイハットとの使い分けは実際に曲に合わせて叩いてしっくり来るかどうかで選ぶといいでしょう(ただしこの「しっくりくる」判断基準に関しては本題と話がそれるのでまた別の機会に書こうと思います)。
ライドシンバルのセッティングの手順
以降この記事では「3点セットを使うこと」を前提に説明します(なぜなら基本であり、なおかつわかりやすいので)。
まずライドシンバルをセッティングする順番としては、椅子→ペダル→スネア→ハイタムがセットし終わってからがいいでしょう(そうしないと後でやり直しすることになります)。
そして、セッティングの要点は「高さ」と「傾斜」です。
当たり前のことだと思われたかもしれませんが、ここに実はドラムの奏法を考えるヒントがあります。
なのでここからは「高さ」と「傾斜」について1つずつ見ていきましょう。
ライドシンバルのセッティングのベストな高さとは?
まずは高さ。
結論から言えば「ちょい高め」がベスト。
高すぎると叩きにくいのはイメージしやすいですが、低くするのもあまりおすすめできません。
理由は低くしすぎるとスティックのリバウンドがうまくひろえないからです。
理想はバスケのドリブルみたいに、スティックがライドシンバルでドリブルしている状態です。
そしてこのドリブルの状態になると、ライドシンバルを叩くための腕の力は最小限でいいわけです。
そして腕の力を最小限にと書きましたが、ライドシンバルを高くしすぎると「腕を高い位置に保ち続ける」という力が必要になるので、高すぎるのもおすすめできないわけです。
なので、その間をとって「ちょい高め」がやりやすいです。
ライドシンバルのセッティングのベストな傾斜とは?
そしてもうひとつ、傾斜(打面の傾き具合)について。
これも上記と同じく、リバウンドを最大限有効にひろえるようにセッティングする必要があります。
なので傾けすぎると、スティックのリバウンドが分散してしまい、先ほど書いた「スティックがドリブルしている」状態を作り出すのが難しくなります。
反対に、ライドシンバルを寝かせすぎると、スティックも水平にしないと叩けないので「スティックを水平にするために腕を支える」という余分な力を使うことになります。
なのでライドシンバルの傾斜を決めるときは目安としては「ハイタムの傾斜より少し平ら」程度がベストかと(尚ここでいうハイタムの傾斜とは、標準的なハイタムのセッティングの傾斜程度のことを指しています)。
ライドシンバルは奏者である自分にどれだけ近づけた方がよいのか?
もう1つ、自分にどれだけ近寄せるかも演奏の上では大切なポイント。
遠すぎるとライドシンバルでビートを叩くときに体の重心が前にいってしまい、無駄な力が入るので要注意です。
近すぎると、タム回し(フィルイン)をしたときにスティックの先端とライドシンバルの先端がぶつかります。
目安としてはライドシンバルのカップを無理なく叩ける位置がベストでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
実際にいろんなドラマーを見ていると十人十色、いろんなセッティングがあり「あれ、ここに書いてあることとちがうぞ?」と思われるかもしれません。
しかし今回書いたのはあくまで基本なので、基本さえおさえればあとは自分なりにアレンジもできるということを最後にお伝えしたいです。
セッティングの改善は自分の演奏の振り返りにもなると思うので、ぜひやってみてください。
ではでは。
ライタープロフィール
ドラマー
Hazime
ドラム歴20年。
プログレッシヴ・ロックバンドのドラマーやってます。
「セレクトーン」という音楽教室にてドラム講師もやっております。
物理学や心理学をからめてドラムの楽しさを広めていくことをモットーとしています。
ウェブサイト:http://www.drum-lesson.net